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NO.1
1994(初バリ)
 <イントロダクション>
 近頃日本人に圧倒的人気を誇るバリは、日本の国土の5倍と言われるインドネシアの中にあっては、東京都の約2.5倍程度の小さな1つの島に過ぎない。しかし、川や水田(棚田)が多く起伏に富んだ地形のため、実際に島内を回ってみると結構広いんだなあと実感する。
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ウブドの村を出るあたり ベサキ寺院からアグン山を見上げる
<スーパーにいるガイドのたまご君たち>
 私たちは現地に到着するとまずスーパー・マーケットに足を運ぶことにしている。滞在中の飲み物や食料、シャンプーなどの日用品やちょっとした小物を仕入れるためと、現地の物価を頭に入れておくという一石二鳥の目的があるからだ。大抵の国では物の値段は買手と売手の交渉で決まるので、まず大ざっぱな現地の値段を知っておくことは私たちにとっては大切なことである。相手の言うままに支払いを続ければ、現地の物価上昇に加担することにもなるからだ。

 バリに到着した初日、私たちは早速スーパーでお買物するためにでかけた。今回は湯沸かしポットも持参したのでコーヒーを買おうと思っていた。商品棚の前でバリコーヒーにするかネスカフェにするか迷っている時に日本語で話しかけてくる男の子がいた。 最初はスーパーの店員かと思ったがどうも様子が違う。一人が立ち去ると今度は別の男の子がやってきた。

話を聞くと彼らは現在日本語を勉強しているので日本人と話したいのだそうだ。彼は私たちにただでガイドをするけれどどうだろうと話を持ち掛けてきた。ガイドのライセンスがないのでお金を請求すると違法になるが、自分はもっと日本語を勉強したいので、レンタカー代の2000円を払ってくれればガイド料はいらないと言う。 観光地ではいかがわしい人間も多いので用心して即答しないでいたが、しばらく観察した結果、それほど心配する相手でもなさそうなので決局頼むことにした。

 翌日は彼の運転で1日中あちこち行ってもらった。名前はアグース、クタで革製品のお店を経営している兄を頼ってジャカルタからやって来たのだそうだ。彼らはインドネシアの大多数を占めるイスラム教徒である。今は亡き父がメッカの巡礼に出かけた際、お土産に買って来てくれたというカセットテープを聞かせてくれたところをみると自慢の父だったようで、父を失った寂しさがひしひしと感じられた。

 彼はなかなか親切で良いガイドだった。ウブドの村にも立ち寄ってもらって、目星をつけていたセハティ・ゲストハウスを訪ねたついでに予約も済ませてしまうことができたのである。

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モスリム向けの屋台で食事 クタのとうもろこし売り